印刷業
原価計算の種類
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
原価計算の種類
原価計算には計算方法のちがいから総合原価計算と個別原価計算があります。 家電や自動車のような単一製品の製造ラインでの原価計算は一定期間に何個の製品をどれだけの費用で製造したかを集計し、1個当たりいくらで製造できたかを算出するのが総合原価計算です。印刷物は製造工程が多く、1個あたりの生産期間が短いので総合原価計算では個別の損益が把握できません。印刷物には1受注品毎の生産原価を個別に集計して粗利益を算出する個別原価計算が必要です。個別原価計算には標準原価計算と実際原価計算があります。標準原価計算は各工程、例えば、印刷の製造単価は1枚当たりn円n銭と標準原価を設定し、印刷サイズや印刷枚数の違いに格差をつけて標準単価表をつくるのが一般的です。実際原価計算は各工程の時間単価または分単価を定期的に算出し、個別の受注品ごとに要した時間に時間単価をかける計算方式です。例えば、印刷の場合でもある受注品の印刷のために前準備から後処理まで何分かかったかを集計するだけです。枚数やサイズは関係ありません。使われた時間がコストなのです。特に、プリプレス部門における原価計算には標準原価計算は不向きです。校了までに発生する追加・変更を予測することは困難だからです。原価計算にはこの他部門別原価計算があります。組織の拡大とともに製造工程が成長して部門が形成され、管理できる範囲内の部門が組織されてゆきます。部門別原価計算は製造部のなかでも非生産部門費の配賦基準の設定が必要になります。生産部門として採算がとれているか、赤字ならばどれだけ赤字なのかを把握することは非常に重要なことです。採算を見るには一定期間にその部門が消費した直接費、間接費(非生産部門の配賦分を含む)を社内振替価格から差し引いた額に仕掛金額を加えた額になります。
月次決算と仕掛管理
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
月次決算と仕掛管理
企業が適正利潤を確保し、決算に向けて営業計画/経費計画などの予算管理をすすめるためには正確な月次決算を毎月実行することが必要になります。決算に必要な情報は損益計算書及び在庫材料・製品・半製品の他に製造中の仕掛金額があります。仕掛金額は総合原価計算では把握できません。個別原価計算によって発生した未売上分の原価を集計するだけで正確な仕掛金額が集計できます。月次決算が実現すれば納税/金融などの対応も計画的に実行できるようになります。仕掛金額の集計にあたっては月末・年末時点での仕掛か売上済みかの判断が重要になります。実際には納品済みでも、売上処理がなされていなければ仕掛かりになります。従って、仕掛リストを担当者別に集計して担当者にチェックさせることにより、売上漏れや請求漏れが発見できることがあります。印刷業は月次決算が困難であるといわれる理由は、この仕掛データが把握しにくい点が大きな原因なのです。
個別原価計算と総合原価計算の関係
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
個別原価計算と総合原価計算の関係
個別原価計算とは受注品毎に発生原価を集計し、着手から完成までの期間は問いません。総合原価計算は単一製品例えば自動車や家電などのように連続して作り続ける製品の場合は1月毎に期間を区切って原価を集計し、期間損益を算出する方式です。印刷業の場合は、毎日異なった受注品が生産ラインを流れ、同じ製品が繰り返し生産されることがほとんどありません。従って、印刷業の原価計算は個別原価計算が基本になります。しかし、各工程はその作業内容においては同じ作業の繰り返しであるため、各工程別には総合原価計算も実行する必要があります。個別原価計算と総合原価計算を併用することによりいままできずかなかった問題点や改良点が発見されます。印刷業の個別原価計算は受注品ごとに受注番号を取り、その番号で作業指示や発注、仕入れを行い、原価を集計して粗利益を算出します。算出された粗利益を月間、年間で累計し、月次決算・年次決算と比較して同額に近くなるまで各工程の時間単価を修正してゆきます。平行して総合原価計算も実施し、各工程の月間・年間の実績を集計して適正原価の追求をします。
原価計算とは
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
原価計算とは
原価計算の目的は『利益の追求』『見積標準料金の設定』『予算管理』などです。印刷業の原価計算は他の業種に比べて生産工程が長く、複雑で不確実な情報、条件で作業を開始しなければならないため、正確な原価計算ができないと言われてきました。原価計算には標準原価計算と実際原価計算がありますが、印刷業は標準原価計算では実態がつかみにくく、算出された利益は信用しがたい数値になります。従って印刷業の原価計算は実際に発生した原価を集計する実際原価計算方式で集計しなければ実態を把握できません。詳しくは④原価計算のすすめ方で説明します。
一般管理費と販売費
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
一般管理費と販売費
一般管理費は生産・販売に関係なく発生する経営管理費用で、販売費は受注・売上などのために支出される費用です。この2つを合わせて営業費と言います。いま経営管理上でもっとも注目されている課題に、この営業費の圧縮・削減があります。印刷業では平均的に営業費が売上に対して20~25%位発生しています。これをどれだけ少なくできるかですが、アメリカの先端企業では10%を切り、さらに管理部門のスリム化を進めています。日本の企業でもこの課題に積極的に取り組んでいる企業がたくさんあります。印刷業界もこの課題に真剣に取り組まなければなりません。一般的に営業費は見積書に計上しませんが、印刷受注に際しては営業費を請求できるケースが多く、これまでは2桁台の営業費を請求できたものが最近は10%を超えて営業費を請求できるケースが極端に減ってきています。ビジネスのグローバル化に伴い、印刷の営業スタイルも変化してきています。談合や過剰接待での受注活動は不可能になりつつあり、通信やネットワークによる受発注が現実になってきました。従って営業費の低減は時代の趨勢です。生産現場の効率化と原価低減だけでなく、販売・管理部門の省力化、効率化、ネットワーク化を推進しなければ生き残れないでしょう。逆にこれらの改善を早く着手することで大きなチャンスをつかめるかもしれません『チャンスは貯蓄できない、チャンスは準備する者に訪れる。』J・Fケネディー一般管理費・販売費は総原価の一部に属し、直接費(材料費+労務費+経費)・間接費で構成する製造原価には含まれません。個別原価計算で接待費や交通費などの販売費を原価の一部として加算したいと言う経営者が時々おられますが、原価計算を正確に実行して出てきた数値をもとに見積原価や標準原価を設定するためには一般管理費・販売費は加えるべきではありません。さらに月次決算を算出するために必要な仕掛金額は製造原価までにとどめるべきです。
製造経費についての考え方
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
製造経費についての考え方
製造経費とは、材料費と労務費を除くすべての費用です。一般に知られる減価償却費や外注費電力料のほかに公害防止費、棚卸減耗費、仕損費なども含まれます。減価償却費は決算書に添付される減価償却台帳の明細に記録されていますが、利益調整(金融対策から赤字決算を避けるために減価償却額を減額)されている場合もあるので、原価計算上は償却すべき額を計上します。リース物件の場合はリース料が減価償却額に相当します。賃借料は自社ビルの場合、近隣の賃借料の相場を換算して計上します。修繕費やリース料などを支払経費と言い、換算する費用例えば電力・ガス・水道料や棚卸減耗費などを測定経費と言います。個別の受注品に配分が困難な経費を間接経費と言います。減価償却費、電力料、修繕費、賃借料などほとんどの経費が個々の受注品に配分することが困難です。そこで予定配賦率として時間単価または分単価を算出し、個々の受注品の生産に要した時間を掛ければ実際原価が集計されます。一般的に予定配賦率は月単位で算出しますが、印刷業の場合は一年単位つまり一決算期毎に算出するほうが現実的です。具体的に予定配賦率を算出するには、設備だけに時間単価を設定するか、設備とオペレーターの合算で算出するかを決定しなければなりません。個々の受注品に要した時間を作業日報で報告させ、その時間を時間単価でかけて実際原価を集計するためには設備とオペレーターの合算方式のほうが合理的です。その手順を簡単に説明すると、その設備の直接経費は減価償却費とオペレーターの賃金だけでその他の経費は全て間接経費になります。例えば、電力・ガス・水道料や福利厚生費・賃借料・修繕費・消耗品費などです。これをどのように配賦するかがポイントです。経費の性格により配賦基準が異なります。例えば、賃借料は面積比率で福利厚生費や交通費などは頭割りで配賦します。これでその設備の直接経費と間接経費が集計されます。月単位で集計するか年単位で集計するかですが、決算書に添付される製造原価報告書は年間総原価の実績額ですからこれを使えば昇給分を除きほぼ現実に近いコストが集計されているわけです。従って、月間推定配賦率を計算するよりも年間実績をもとに経費を算出するほうが簡単でしかも実際原価に近い単価が得られます。しかし、まだ年間原価が把握できただけです。その設備が前年度何時間稼働したかを賃金台帳などから把握し、稼働率を推定して実稼働時間を設定します。例えば、年間作業時間を2000時間とし実稼働率を80%(前準備・後処理も含む)ならば1600時間で割れば時間当たり単価が算出され、さらに60分の1が分単価になるわけです。時間(分)単価が把握できれば、日々の作業日報の所要時間を入力するだけで実際原価が集計され、実際粗利益が算出できることになります。
製造原価の内訳
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
製造原価の内訳
原価=材料費+労務費+経費ですが、このようなわけ方を要素別分類といいます。材料費はさらに素材費・部品費・燃料費・消耗品費・工器具備品費に分かれます。労務費は直接または間接に働いた労働を金額であらわしたものです。つまり、賃金・給料などの給与です。経費とは材料費・労務費以外のすべての製造費用を一括して示すものです。具体的には、工場の建物、機械設備、工具、器具、備品などの減価償却費など工場内で発生するものと外注加工費、電力料、水道料、ガス料、修繕費などの外部から受け入れたサービスの代価です。個別の製品の材料費や労務費などの直接発生額を計算できるものを直接費、特定できないものや特定できても金額が小さくて集計に手間のかかるものを間接費と言います。材料費や労務費は直接費になることが多く、経費は大部分が間接費になります。具体的に言うと用紙代、賃金は直接費です。これに対して工場の建物、機械、及びその付属設備の減価償却費、電力料、冷暖房費、修繕費、消耗品などは間接費になります。数量や作業時間の変動に関連する変動費と関連しない固定費があります。変動費は用紙代などの直接材料費、電力料、ガス代などです。固定費は操業度(生産数量や作業時間)の変動にかかわりなく同じ額が発生する工場の建物の賃借料や機械のリース料(所有していれば減価償却費)、建物・設備の火災保険料、間接要員の給料などです。しかし、電力料のように固定費としての基本料金と使用量に対する変動料金が含まれるものもあります。
原価計算とは
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
原価計算とは
原価計算の目的は『利益の追求』『見積標準料金の設定』『予算管理』などです。印刷業の原価計算は他の業種に比べて生産工程が長く、複雑で不確実な情報、条件で作業を開始しなければならないため、正確な原価計算ができないと言われてきました。原価計算には標準原価計算と実際原価計算がありますが、印刷業は標準原価計算では実態がつかみにくく、算出された利益は信用しがたい数値になります。従って印刷業の原価計算は実際に発生した原価を集計する実際原価計算方式で集計しなければ実態を把握できません。
一般管理費と販売費
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
一般管理費と販売費
一般管理費は生産・販売に関係なく発生する経営管理費用で、販売費は受注・売上などのために支出される費用です。この2つを合わせて営業費と言います。いま経営管理上でもっとも注目されている課題に、この営業費の圧縮・削減があります。印刷業では平均的に営業費が売上に対して20~25%位発生しています。これをどれだけ少なくできるかですが、アメリカの先端企業では10%を切り、さらに管理部門のスリム化を進めています。日本の企業でもこの課題に積極的に取り組んでいる企業がたくさんあります。印刷業界もこの課題に真剣に取り組まなければなりません。一般的に営業費は見積書に計上しませんが、印刷受注に際しては営業費を請求できるケースが多く、これまでは2桁台の営業費を請求できたものが最近は10%を超えて営業費を請求できるケースが極端に減ってきています。ビジネスのグローバル化に伴い、印刷の営業スタイルも変化してきています。談合や過剰接待での受注活動は不可能になりつつあり、通信やネットワークによる受発注が現実になってきました。従って営業費の低減は時代の趨勢です。生産現場の効率化と原価低減だけでなく、販売・管理部門の省力化、効率化、ネットワーク化を推進しなければ生き残れないでしょう。逆にこれらの改善を早く着手することで大きなチャンスをつかめるかもしれません『チャンスは貯蓄できない、チャンスは準備する者に訪れる。』J・Fケネディー一般管理費・販売費は総原価の一部に属し、直接費(材料費+労務費+経費)・間接費で構成する製造原価には含まれません。個別原価計算で接待費や交通費などの販売費を原価の一部として加算したいと言う経営者が時々おられますが、原価計算を正確に実行して出てきた数値をもとに見積原価や標準原価を設定するためには一般管理費・販売費は加えるべきではありません。さらに月次決算を算出するために必要な仕掛金額は製造原価までにとどめるべきです。
製造経費についての考え方
印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。
製造経費についての考え方
製造経費とは、材料費と労務費を除くすべての費用です。一般に知られる減価償却費や外注費電力料のほかに公害防止費、棚卸減耗費、仕損費なども含まれます。減価償却費は決算書に添付される減価償却台帳の明細に記録されていますが、利益調整(金融対策から赤字決算を避けるために減価償却額を減額)されている場合もあるので、原価計算上は償却すべき額を計上します。リース物件の場合はリース料が減価償却額に相当します。賃借料は自社ビルの場合、近隣の賃借料の相場を換算して計上します。修繕費やリース料などを支払経費と言い、換算する費用例えば電力・ガス・水道料や棚卸減耗費などを測定経費と言います。個別の受注品に配分が困難な経費を間接経費と言います。減価償却費、電力料、修繕費、賃借料などほとんどの経費が個々の受注品に配分することが困難です。そこで予定配賦率として時間単価または分単価を算出し、個々の受注品の生産に要した時間を掛ければ実際原価が集計されます。一般的に予定配賦率は月単位で算出しますが、印刷業の場合は一年単位つまり一決算期毎に算出するほうが現実的です。具体的に予定配賦率を算出するには、設備だけに時間単価を設定するか、設備とオペレーターの合算で算出するかを決定しなければなりません。個々の受注品に要した時間を作業日報で報告させ、その時間を時間単価でかけて実際原価を集計するためには設備とオペレーターの合算方式のほうが合理的です。その手順を簡単に説明すると、その設備の直接経費は減価償却費とオペレーターの賃金だけでその他の経費は全て間接経費になります。例えば、電力・ガス・水道料や福利厚生費・賃借料・修繕費・消耗品費などです。これをどのように配賦するかがポイントです。経費の性格により配賦基準が異なります。例えば、賃借料は面積比率で福利厚生費や交通費などは頭割りで配賦します。これでその設備の直接経費と間接経費が集計されます。月単位で集計するか年単位で集計するかですが、決算書に添付される製造原価報告書は年間総原価の実績額ですからこれを使えば昇給分を除きほぼ現実に近いコストが集計されているわけです。従って、月間推定配賦率を計算するよりも年間実績をもとに経費を算出するほうが簡単でしかも実際原価に近い単価が得られます。しかし、まだ年間原価が把握できただけです。その設備が前年度何時間稼働したかを賃金台帳などから把握し、稼働率を推定して実稼働時間を設定します。例えば、年間作業時間を2000時間とし実稼働率を80%(前準備・後処理も含む)ならば1600時間で割れば時間当たり単価が算出され、さらに60分の1が分単価になるわけです。時間(分)単価が把握できれば、日々の作業日報の所要時間を入力するだけで実際原価が集計され、実際粗利益が算出できることになります。
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