月次決算と仕掛管理

2024年8月11日

印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。
印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。

月次決算と仕掛管理
 企業が適正利潤を確保し、決算に向けて営業計画/経費計画などの予算管理をすすめるためには正確な月次決算を毎月実行することが必要になります。決算に必要な情報は損益計算書及び在庫材料・製品・半製品の他に製造中の仕掛金額があります。仕掛金額は総合原価計算では把握できません。個別原価計算によって発生した未売上分の原価を集計するだけで正確な仕掛金額が集計できます。月次決算が実現すれば納税/金融などの対応も計画的に実行できるようになります。仕掛金額の集計にあたっては月末・年末時点での仕掛か売上済みかの判断が重要になります。実際には納品済みでも、売上処理がなされていなければ仕掛かりになります。従って、仕掛リストを担当者別に集計して担当者にチェックさせることにより、売上漏れや請求漏れが発見できることがあります。印刷業は月次決算が困難であるといわれる理由は、この仕掛データが把握しにくい点が大きな原因なのです。