製造原価の内訳

2024年7月7日

印刷業の原価計算を正確に算出すると正確な月次決算が実現します。
印刷会社に勤務していた時、社長から「実際利益で報償制度をやりたいので次月の5日までに正確な月次決算を出してほしい」と言われ、3年がかりで実現した経緯を披露します。

製造原価の内訳
 原価=材料費+労務費+経費ですが、このようなわけ方を要素別分類といいます。材料費はさらに素材費・部品費・燃料費・消耗品費・工器具備品費に分かれます。労務費は直接または間接に働いた労働を金額であらわしたものです。つまり、賃金・給料などの給与です。経費とは材料費・労務費以外のすべての製造費用を一括して示すものです。具体的には、工場の建物、機械設備、工具、器具、備品などの減価償却費など工場内で発生するものと外注加工費、電力料、水道料、ガス料、修繕費などの外部から受け入れたサービスの代価です。個別の製品の材料費や労務費などの直接発生額を計算できるものを直接費、特定できないものや特定できても金額が小さくて集計に手間のかかるものを間接費と言います。材料費や労務費は直接費になることが多く、経費は大部分が間接費になります。具体的に言うと用紙代、賃金は直接費です。これに対して工場の建物、機械、及びその付属設備の減価償却費、電力料、冷暖房費、修繕費、消耗品などは間接費になります。数量や作業時間の変動に関連する変動費と関連しない固定費があります。変動費は用紙代などの直接材料費、電力料、ガス代などです。固定費は操業度(生産数量や作業時間)の変動にかかわりなく同じ額が発生する工場の建物の賃借料や機械のリース料(所有していれば減価償却費)、建物・設備の火災保険料、間接要員の給料などです。しかし、電力料のように固定費としての基本料金と使用量に対する変動料金が含まれるものもあります。