印刷業の原価計算入門

印刷業の原価計算入門

本日よりブログ「印刷業の原価計算入門」を書くことにしました。

これは私が30年間の印刷業界経験をもとに、最も難しいと言われる印刷業の原価計算の考え方、実現の手順をご披露いたします。

原価とは何か
 原価=材料費+労務費+経費です。
印刷業の材料費は用紙・製版フィルム・PS版など在庫管理が可能なものです。インキは在庫管理が可能ですが、補助材料または原料になります。原価には実際原価・見積原価・標準原価がありますが、この3種類の原価が同じであることが理想です。現実には見積原価と標準原価は同じとしていることが多くみられますが、実際原価は当然異なります。とくに印刷業は仕損(ヤレ)が多く、他の製造業に比べて極端に高い仕損が発生しています。原因によっては原価とは言えないものもありますが、原価に算入すべきものも多く、刷り直しの用紙代や版代は計算しても刷り直しに要した印刷代・加工代・製本代のような手間賃を仕損費として計上し、事故の原因と対策に役立てるケースが少ないのは非常に残念です。単一製品をベルトコンベアで生産する自動車や家電製品と異なり、印刷業は常に新しい仕様にしたがって生産するために事故率が高いのは仕方がないのですが、恐いのは事故に対する警戒心や責任感原価意識の欠如とマンネリ化です。では原価計算とは何かを整理してみましょう。